小さい頃、井荻駅近くにある井荻飯店という中華屋で出前をとるのがとても楽しみでした。

私の母は色々な料理を毎食よく作ってくれましたが、(母の作る春巻きが大好きでした。) たまに疲れた時に小学生の私や妹に申し訳なさそうに『今日は出前でもいいかしら？』と言い、井荻飯店で注文してくれました。私が好きでよく食べていたのは『もやしそば』です。蕎麦ともやしが大好きだった私は最初、普通の日本蕎麦にもやしが乗ってくるのか？と思っていましたが、届いた物は熱々のあんかけもやしが山盛りに盛ってあるラーメンで、一発で気に入ってしまいました。母が仕事などで疲れてそうな時はさりげなく『今日は疲れてるみたいだね？』とか『夕飯作るの無理じゃない？』などと言って、たまにしか食べられないそのもやしそばへ何とか持っていこうとしたものでした。

そんな昭和の中華屋に定番メニューとしてあったもやしそばを最近、とても良い雰囲気のお店で何度か頂いています。

ノスタルジックな感じの店内でそのもやしそばを食べていると、母や妹と暮らしていた上井草の頃を思い出してしまいます。