アドリブ攻略法(JUST THE TWO…)


発表会が近づいてきました。


ジャズギター受講の生徒さんWさんが課題曲としてレッスンで行っている『Just the two of us』のコード進行です。


この曲をギタートリオで発表会でも行うことになりました。


他何人かの生徒さんも興味があると言っていましたのでこの曲の攻略法を書きたいと思います。


一番ターゲッティングしておきたいのは、

やはりいつもレッスンで話している


【Ⅴ7時の3rd音】


です。


①この曲のKeyはFマイナーなので(大多数のコードがFナチュラル・マイナー・スケールから作られているという意味です)、全体的に

【Fナチュラル・マイナー・スケール】か

Fマイナー・ペンタトニック・スケール】などを弾けば、なんとなくカッコ良い雰囲気になります。ペンタトニックはよく一発でしか弾けない人の代名詞のように言われることもありますが、ペンタトニック+αと考えて、基本はペンタトニックで弾くことをレッスンではオススメしています。

だってペンタ、カッコ良いですからね!



②次のステップとして考えるならば、先ほど言った、Ⅴ7であるC7というコードを考えましょう。このC7はどのようなスケールから作られているかというとここでは【Fハーモニック・マイナー・スケール】上のダイアトニックコードということになりますので、C7時には【Fハーモニック・マイナー・スケール】を弾けば雰囲気が変わります。


つまり出だしから


・F-G-Ab-Bb-C-Db-Eb

(Fナチュラル・マイナー・スケール)


を弾いて、C7になった1拍目でEの音をポーンと伸ばせば雰囲気が出せます。


・F-G-Ab-Bb-C-Db-E

(Fハーモニック・マイナー・スケール)



多分皆さんもC7の瞬間にE音(ミの音)を弾いてみたら『あ、この雰囲気ね』と分かると思います。様々な曲で演奏されていますからね。



③更にステップアップして弾くのならば

Eb-,Ab9(=Ab7と考えて良い),という2つのコードを考えてみます。この2つのコードはDbメジャー・スケール上のいわゆる【Ⅱ-Ⅴ】というコード進行なので、ここで使えるスケールは【Dbメジャー・スケール】になります。


・Db-Eb-F-Gb-Ab-Bb-C

(Dbメジャー・スケール)


出だしのDb△7(DbM7の略記号)とF-7(Fm7の略記号)という2つのコードは【Fナチュラル・マイナー・スケール】から生まれたコード、C7は【Fハーモニック・マイナー・スケール】から生まれたコード、

Eb-,Ab9,は【Dbメジャー・スケール】から生まれたコードというふうに、スケールとコードは密接な関係にあるので、各コードが何スケールから生まれたかによってその属するスケールを弾けばコード感のあるメロディックなフレーズが弾けるのです。


但し、このEb-,Ab9,というコード進行はたった2拍分の瞬間ですので、(Dbメジャースケールを弾くぞ、えーと、、)と考えて音を詰め込むと気づけばあっという間に次のコードに進んでしまうと思います。

ここでオススメなのが【Gb音のターゲッティング】です。(私のレッスンはやはりターゲッティングですね)


なぜたった一つの音をターゲッティングしていくかというと、先ほどC7の瞬間にE音(ミの音)を弾きましたが、このE音はFハーモニック・マイナー・スケール上には構成音としてありますが、Fナチュラル・マイナー・スケール上には無い音だからです。


【そのコードの瞬間にのみ映える音がある】


のです。


同じように【Dbメジャー・スケール】上にしか出てこない音を探してみると【Gb】という音なるのです。


今までは使えなかった変な音が、コードが変わった次の瞬間、一番カッコ良く響く音になるのです。



●F-G-Ab-Bb-C-Db-Eb

(Fナチュラル・マイナー・スケール)

●F-G-Ab-Bb-C-Db-E

(Fハーモニック・マイナー・スケール)【E音ターゲット】

Db-Eb-F-Gb-Ab-Bb-C

(Dbメジャー・スケール)【Gb音ターゲット】


今日はここまでにします。

え?まだ一つコードが残っていると?

これは同型コードのクロマティックアプローチですので、また別の機会に行ってみたいと思います。

いずれにしても全体的にコードトーンの着地は必須になりますので、もしもこの曲を行ってみたい方はレッスンでいつも通りの講師も実演しながら生徒さんとセッション形式で解説します。


ご参考にしてください。